「メルモ」サービス終了のお知らせ

■過渡期のインターネットサービスにおいて、共感を目的とする人が集った特殊な場

メールマガジン配信サービスとしては、「まぐまぐ」が業界ナンバー1で有名なのでご存知の方も多いかもしれませんが、
配信サービス2番手として追随していたのが、メルモでした。

僕も実は10年ちょっと前に利用していました。

メルマガサービスの目的は、基本的には“商売”です。
商品の紹介だったり、イベントの告知だったり、本人のブランディングだったりします。
まぐまぐはそういったメルマガがほとんどでした。

ですが、メルモはちょっと違いました。

企業色があまりなく、ジャンルごとに分かれてたメルマガ配信システムは、共感を求める人達の表現の場でした。

まぐまぐのメルマガの発行者の主な目的が“商売”だとすると、
メルモのメルマガの発行者の主な目的は“共感”でした。

楽しさや嬉しさはもちろん、孤独や不安や虚しさまでも共有しあえたのです。

発行者は共感を求めて表現しているどこかの知らない人なのですが、届いたメールを返信すれば普通に会話ができます。

Facebookのような実名でプライベートを見せるわけでもなく、掲示板のようにまったくの匿名でもない、そのちょうど中間にあった数少ないサービスなのです。

そして何より、メルモには共感を求めた人々が集っていました。

今、Facebookで一人共感を求めて孤独や不安や虚しさについて書いたら、ただの変な人です。恥ずかしいので長続きしないでしょう。
メルモは、そういう人が大勢だったのです。そこに特別な場所としての価値がありました。

僕はそこで、親友や恋人と知り合いました。共感を求めあって、それから現実で出会って関係を築く。
そんな出会いはもうないかもしれません。特別な時間でした。



■SNSの登場により、人は離れていった

そんなメルモですが、人が離れていったきっかけは、SNSの登場です。mixiが一般的になっていくのに合わせて、メルモから発行者や読者は次第に減っていきました。

なぜなら、リアルの友達がみんなmixiをやっているから、mixiはやらざるをえないのです。
メルモにかけていた時間は、mixiを見て日記を書く時間になり、Twitterが登場したころには、メルモはまったく見なくなってしまいました。

そして、日常に共感もなくなってしまいました。

心の奥深くを晒して、認め合って、愛し合うような。

実名でプライベートを晒し合って、認証し合って、軽く会釈するような今のSNSには、メルモにあった“感動”は決してありません。

僕は、そんな感動にまた出会いたいんです。


メルモ
http://merumo.ne.jp/

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